「『ハク様』には参りました!」
10日ほど前の晩、飼い猫とともに何かが家の中へ飛び込んできた気配を感じ、屋根裏部屋へ向かう猫の後を追っていくと、その先に灰色の細長い動物が見えました。かつても血気盛んな猫がノウサギやドブネズミなどを持ち込む騒動はあったのですが、捕食する種類のものより大きく、追いかけたり威嚇したりせずにいるところを見ると近隣の猫というわけでもなさそうです。アライグマやタヌキに比べると色が薄く、尾は細長い形をしているもよう。
灰色の動物は引き戸の隙間から室内に入り込み、猫を隔離して様子を見たものの出てくる気配がありません。放置しておくわけにもいかず恐る恐る電気をつけてみたところ、忍者のように姿をくらませてしまい、どうやら家具の裏で息を潜めている様子。下手に近づいてガブリとやられるのは避けたいところですが、逃げ道を広げるために床の物をよけても動きは見られず。しびれを切らせながら距離を縮めていくと、ようやく現れた動物は、素早く走り抜ける……ことなく天井目がけて垂直に跳び上がり、死に物狂いでふすま(既に破れていた)をよじ登り始めました。
頭は小さくとがった耳をしており、跳躍する……ということは、まさか子鹿(茶色に白い斑点のイメージもありますが冬毛は灰色)が迷い込んできたのか? いや、大きさが、尾の形が……と混乱しながらも悪戦苦闘の末、ともかく脱出させることに成功。後ろから撮った写真を手掛かりに調べた結果、顔の白線は確認できないものの、昨年、近くで出没すると聞いたハクビシンに最も特徴が似ていました。
さて、一難去って安眠……というわけにはいかず、ここからが本当の闘い(笑)でした。残されたハクビシンの尿臭はすさまじく(とはいえ、ジャコウネコ科でどことなく猫ともにおいが似ていましたので、仲間意識でやって来た?)、洗えない物への被害も多数。水ぶきの後、リネンウオーター、アルコール、住まいの洗剤、ハイター、木酢液……と様々な物を使ってにおい消しを試みましたが、次第に悪臭をもって悪臭を制しているような体たらくとなり、かの昭和歌謡「真綿色したシクラメンほど 清しいものはない~♪」ならぬ「ねずみ色したハクビシンほど 弱ったものはない~(涙)」と高いびきをかいている猫の手も借りたい気分で掃除に追われた揚げ句、しばらくの間はどこでもハクビシン臭が漂ってくるような恐怖感に悩まされました(もっとも臭気を感じる以上、新型コロナウイルス感染症の疑いからは免れていたようでありますが……)。(田端)

灰色の動物は引き戸の隙間から室内に入り込み、猫を隔離して様子を見たものの出てくる気配がありません。放置しておくわけにもいかず恐る恐る電気をつけてみたところ、忍者のように姿をくらませてしまい、どうやら家具の裏で息を潜めている様子。下手に近づいてガブリとやられるのは避けたいところですが、逃げ道を広げるために床の物をよけても動きは見られず。しびれを切らせながら距離を縮めていくと、ようやく現れた動物は、素早く走り抜ける……ことなく天井目がけて垂直に跳び上がり、死に物狂いでふすま(既に破れていた)をよじ登り始めました。
頭は小さくとがった耳をしており、跳躍する……ということは、まさか子鹿(茶色に白い斑点のイメージもありますが冬毛は灰色)が迷い込んできたのか? いや、大きさが、尾の形が……と混乱しながらも悪戦苦闘の末、ともかく脱出させることに成功。後ろから撮った写真を手掛かりに調べた結果、顔の白線は確認できないものの、昨年、近くで出没すると聞いたハクビシンに最も特徴が似ていました。
さて、一難去って安眠……というわけにはいかず、ここからが本当の闘い(笑)でした。残されたハクビシンの尿臭はすさまじく(とはいえ、ジャコウネコ科でどことなく猫ともにおいが似ていましたので、仲間意識でやって来た?)、洗えない物への被害も多数。水ぶきの後、リネンウオーター、アルコール、住まいの洗剤、ハイター、木酢液……と様々な物を使ってにおい消しを試みましたが、次第に悪臭をもって悪臭を制しているような体たらくとなり、かの昭和歌謡「真綿色したシクラメンほど 清しいものはない~♪」ならぬ「ねずみ色したハクビシンほど 弱ったものはない~(涙)」と高いびきをかいている猫の手も借りたい気分で掃除に追われた揚げ句、しばらくの間はどこでもハクビシン臭が漂ってくるような恐怖感に悩まされました(もっとも臭気を感じる以上、新型コロナウイルス感染症の疑いからは免れていたようでありますが……)。(田端)
